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会社設立Q&A
このページでは、「設立時取締役・設立時代表取締役」についてQ&A形式で解説しています。
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株式会社設立Q&A
Q: 設立時取締役・設立時代表取締役とは何ですか? 取締役・代表取締役は違うの
ですか?
A: 株式会社の設立に際して取締役・代表取締役となる者を設立時取締役・設立時代表
取締役といいます。
会社法では、株式会社の設立に際して取締役・代表取締役となる者を設立時取締役・設立時代表取締役といい、設立後の取締役・代表取締役とは区別されています。
(会社法第38条第1項)
設立時取締役・設立時代表取締役は、設立に関する限られた事項のみを職務とします。
「発起人」が会社設立後は「株主」となるのと同様に、「設立時取締役」「設立時代表取締役」も会社設立後は自動的に「取締役」「代表取締役」となるため、特に小規模な会社設立では、区別して考える必要はないように思われます。
ただし、実務上は、その選任・選定の方法について注意が必要となります。
設立時取締役の選任方法
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役を選任しなければならないとされています。(会社法第38条第1項)
設立時役員等(設立時取締役、設立時監査役、設立時会計参与など)の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定します。 (会社法第40条第1項)
また、「定款」で設立時役員等(設立時取締役、設立時監査役、設立時会計参与など)を定めることもできます。この場合には、定款で設立時役員等と定められた者は、出資の履行が完了したときに設立時役員等に選任されたものとみなされます。(会社法第38条第3項)
なお、設立しようとする会社が、「取締役会を設置する株式会社」である場合には、設立時取締役は3人以上でなければなりません。(会社法第39条第1項)
設立時代表取締役の選定方法
設立時代表取締役については、設立しようとする株式会社が「1.取締役会を設置する株式会社」であるのか「2.取締役会を設置しない株式会社」であるのかによって選定方法が異なります。
1.取締役会を設置する株式会社の設立時代表取締役
設立しようとする株式会社が「取締役会を設置する株式会社」である場合には、設立時取締役は、設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定しなければなりません。
(会社法第47条第1項)
代表取締役(会社設立後)の選任方法との違い
取締役会を設置する株式会社の場合、代表取締役(会社設立後)は、「取締役会」が取締役の中から代表取締役を選定することになっていますが、設立時代表取締役については、「取締役会」ではなく、「設立時取締役」が設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定することになっています。(どちらもいわゆる「互選」ですが、決定機関が異なります。)
2.取締役会を設置しない株式会社の設立時代表取締役
設立しようとする株式会社が「取締役会を設置しない株式会社」である場合には、
設立時取締役は、設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定することができます。
(この選定は任意とされ、会社法に規定はありません。)
取締役会を設置しない株式会社の設立時代表取締役の選定は、
- 定款(定款で具体的に設立時代表取締役を指名する)
- 定款の定めに基づく設立時取締役の互選(「設立時取締役の互選で定める」旨を定款に定める)
- 発起人の過半数の同意
により設立時取締役の中から選定することができます。
なお「取締役会を設置しない株式会社」で、取締役が複数名いる場合に設立時代表取締役を選定しないときは、各自が会社を代表します。(各自代表)
定款の定めに基づく設立時取締役の互選で定める場合の注意
取締役会を設置しない株式会社では、取締役が複数名の場合を考慮し、「取締役が2名以上ある場合には、そのうち1名を代表取締役とし、取締役の互選によってこれを定める。」旨の定めを定款に置くことが一般的となっています。
(参考)「定款記載例」 → 取締役会を設置しない株式会社‐代表取締役
これは、あくまでも「代表取締役(会社設立後)を取締役(会社設立後)の互選で定める」旨の定めであるので、この定めをもって「定款の定めに基づく設立時取締役の互選」によって設立時代表取締役を選定することはできません。
設立時代表取締役を「定款の定めに基づく設立時取締役の互選」によって選定したい場合には、上記「取締役の互選」の定めとは別に
「設立時代表取締役は、設立時取締役の互選によってこれを定める。」
旨の定めを置くことが必要となります。(定款の「附則」に定めるのが一般的です。)
(参考)「定款記載例」 →
取締役会を設置しない株式会社‐設立時代表取締役
設立時代表取締役を定めない場合
設立しようとする株式会社が「取締役会を設置しない株式会社」である場合には、 設立時代表取締役の選定は「任意」であるため、設立時代表取締役を定めないこともできます。
ただし、設立時代表取締役を定めない場合には、「設立時取締役=設立時代表取締役」ということになります。(設立時代表取締役がいないわけではありません)
設立時取締役が2人以上ある場合で、設立時代表取締役を定めない場合には、設立時取締役は、各自が設立時代表取締役となります。(各自代表)
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