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労働者派遣事業(人材派遣業)許可
このページでは、労働者派遣業の許可基準「2.派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度」について解説しています。
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労働者派遣業の許可の基準等
労働者派遣事業の許可の基準として、「申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に
行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものであること」
が求められます。(労働者派遣法第7条第1項第2号)
「厚生労働省令で定める基準に適合するもの」とは、
@ 派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度を有すること
A @ のほか、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制が整備されていること
の2点です。
2. 派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度
「派遣労働者のキャリアの形成を支援する制度の内容」に関する判断
派遣元事業主は、派遣労働者のキャリア形成を行うために、次の イ から ホ を満たすキャリア形成支援制度を有しなければなりません。
イ 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を
定めていること
訓練計画は、以下の要件を全て満たしていることが必要です。
a. 教育訓練計画の内容の判断
- 実施する教育訓練がその雇用する全ての派遣労働者を対象としたものであること。
ただし、実際の教育訓練の受講にあたり、以下の者については、当該教育訓練は受講 済みであるとして取り扱うことができます。
○ 過去に同内容の教育訓練を受けたことが確認できる者
○ 当該業務に関する資格を有している等、明らかに十分な能力を有している者
なお、受講済みとして取り扱うことができる派遣労働者であっても、当該派遣労働者が当該教育訓練の受講を希望する場合は、受講させることが望ましい。 - 実施する教育訓練が有給かつ無償で行われるものであること。
教育訓練の受講時間を労働時間として扱い、相当する賃金を支払うことを原則とします。ただし、派遣元事業主において時間を管理した訓練を実施することが困難であるこ とに合理的な理由がある場合(例えば、派遣元事業所と派遣先の事業所との距離が非常に遠く終業後に訓練を行うことが困難である場合であって、eラーニングの設備もない 場合等)については、キャリアアップに係る自主教材を渡す等の措置を講ずることとしても差し支えないが、その場合は、当該教材の学習に必要とされる時間数に見合った手当 を支払うこと。(これらの取扱は就業規則又は労働契約等に規定すること。)
なお、派遣労働者が段階的かつ体系的な教育訓練を受講するためにかかる交通費については、派遣先との間の交通費より高くなる場合は派遣元事業主において負担すべきも のであること。 - 実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容のものであること。
教育訓練の内容は、派遣元事業主が一義的に定めるものであるが、派遣労働者としてより高度な業務に従事すること、派遣としてのキャリアを通じて正社員として雇用され ることを目的としている等、キャリアアップに資するものであること。具体的に資する理由は、キャリア形成支援制度に関する計画書において記述すること。
複数の訓練コースを設けることも可能であり、訓練内容によって対象者が異なっても差し支えありません。なお、ヨガ教室や趣味的な英会話教室、面接対策とは異なるメイクアッ プ教室のような、派遣労働者の福利厚生を目的とした明らかにキャリア形成に無関係なものは含みません。派遣元事業主は、当該教育訓練計画についてキャリアアップに資す る内容であることを説明できなければなりません。 - 派遣労働者として雇用するにあたり実施する教育訓練が含まれたものであること。
訓練内容に、入職時に行う訓練が含まれていること。短期雇用の者であっても当該訓練を受講させることができるよう、派遣元事業主と派遣先とが互いに協力することが望 ましい。 - 無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容のものであること。
派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者に対する教育訓練計画が長期的なキャリア形成を念頭とする内容であることを説明できなければなりません。
キャリアアップとは?
キャリアアップとは、関連した職務経験の連鎖や職業訓練等の能力開発機会を通じ、職業能力の向上が図られること、
また、その先の職業上の地位や賃金等の処遇の向上が図られることをいいます。なお、
法令上のキャリアアップ措置の義務付けについては、派遣労働者がキャリアアップした成果までを求めるものではありません。
b. 教育訓練の実施形態に関する判断
教育訓練の実施形態は、通常の業務を一時的に離れて行う教育訓練(OFF JT:Off The Job
Training)のみならず、日常の業務につきながら行う教育訓練(OJT:On The JobTraining)
のうち計画的に行うものを含めていても差し支えありません。
ロ キャリアコンサルティングの相談窓口を設置していること
a. 相談窓口には、担当者が配置されていること。
担当者については、キャリアコンサルタント(有資格者)、キャリアコンサルティングの知見
を有する者(職業能力開発推進者、3年以上の人事担当の職務経験がある者等)、又は派遣先と
の連絡調整を行う営業担当者を配置する必要があります。
b. 相談窓口は、雇用する全ての派遣労働者が利用できること。
相談窓口については、事務所内に定められた相談ブースを設置することのみならず、電話によ
る相談窓口の設置、e-mail での相談の受付、専用WEB サイトの相談窓口の設置等により雇用
する派遣労働者がキャリアコンサルティングを申し込めるよう、その雇用する派遣労働者に対
して周知するとともに、適切な窓口を提供しなければなりません。
c. 希望する全ての派遣労働者がキャリアコンサルティングを受けられること。
d. キャリアコンサルティングは、実施にあたっての規程(事務手引、マニュアル等)に基づい
て実施されることが望ましいこと。
なお、キャリアコンサルティングは、必ずしも常時行わなければならないわけではなく、例
えば毎週2回定期的に実施することや派遣労働者の希望に応じ随時実施すること等も可能です。
また、キャリアコンサルティングを行う場所についても事務所の内外を画一的に指定するもの
ではありません。
ハ キャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供を行う手続が規定されていること
a. 派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等が
整備されていること。
b. 派遣労働者への派遣先の提供は、a. に基づいて行われるものであること。
ニ 教育訓練の時期・頻度・時間数等
a. 派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。また、教育訓練は、少なくとも
最初の3年間は毎年1回以上の機会の提供が必要であり、その後も、キャリアの節目などの一定
の期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること。
b. 実施時間数については、フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者一人当たり、少な
くとも最初の3年間は、毎年概ね8時間以上の教育訓練の機会の提供が必要であること。
c. 派遣元事業主は上記の教育訓練計画の実施に当たって、教育訓練を適切に受講できるように
就業時間等に配慮しなければなりません。なお、派遣元事業主は、派遣先に対して、派遣労働者
が教育訓練を受けられるように協力を求めることが望ましい。
ホ 教育訓練計画の周知等
a. 教育訓練計画の策定に当たっては、派遣労働者との相談や派遣実績等に基づいて策定し、可能
な限り派遣労働者の意向に沿ったものとなることが望ましい。
b. 派遣元事業主は教育訓練計画について、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、
労働契約を締結する時までに説明しなければなりません。
c. 教育訓練計画は事業所に備え付ける等の方法により派遣労働者に周知するとともに、計画に
変更があった際にも派遣労働者に説明しなければならないこと。
d. 派遣元事業主は、派遣労働者が良質な派遣元事業主を選択できるように、教育訓練に関する
事項等に関する情報として、段階的かつ体系的な教育訓練計画の内容についての情報をインター
ネットの利用その他適切な方法により提供することが望ましい。
e. 派遣元事業主は、派遣労働者のキャリアアップ措置に関する実施状況等、教育訓練等の情報を
管理した資料を労働契約終了後3年間は保存していること。労働契約が更新された場合は、更新
された労働契約終了後3年間は保存していること。
f. キャリア形成支援制度を適正に実施しようとしない者であって、キャリア形成支援制度を有す
る義務を免れることを目的とした行為を行っており、労働局から指導され、それを是正してい
ない者ではないこと。
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