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有限責任事業組合(LLP)設立マニュアル

このページでは、有限責任事業組合設立マニュアル「組合の基本事項の決定」について解説しています。

西本社労士・行政書士事務所では、有限責任事業組合(LLP)の設立・組合契約書の作成をサポートしています。

有限責任事業組合の設立・組合契約書作成をお考えの方!お気軽にご相談下さい!

1. 組合の基本事項の決定

有限責任事業組合(LLP)設立手続きをスムーズに行うためには、具体的な有限責任事業組合設立の手続きを始める前に、次に挙げる項目について決めておくとよいでしょう。

組合員を決定する

組合員は2人以上必要

有限責任事業組合(LLP)は、2人以上 の個人又は法人が組合契約を締結することが成立の要件となります。そのため組合員となる者が最低2人以上必要となります。

有限責任事業組合(LLP)の組合員は出資するだけでなく、全員が業務執行に携わる必要があるため組合員の決定は非常に重要なこととなります。

組合員の資格

有限責任事業組合(LLP)の組合員となる者は、自然人または法人でなければなりません。

民法組合など法人格のない組織は組合員となることはできません。また、組合員となる者のうちの
1名以上 は、

  1. 国内に住所を有し、もしくは現在まで引き続き1年以上居所を有する個人
  2. 国内に組合の主たる事務所もしくは主たる事務所を有する法人

のいずれかでなければなりません。

職務執行者

法人が有限責任事業組合(LLP)の組合員となる場合は、法人の中から組合員として職務を行う個人(「職務執行者」といいます)を選任しなければなりません。

(注)「職務執行者」は、組合員が法人である場合にその法人の中から選任するものであるので、
  個人である組合員は、「職務執行者」を選任することはできません。

組合員の員数

有限責任事業組合(LLP)の組合員の員数については、特に制限は設けられていませんので、
2名以上であれば何人であってもかまいません。

なお、有限責任事業組合(LLP)の成立後に組合員数が減少して1名となったときは、2週間以内に新たに組合員を加入させなければなりません。
 

事務所の所在地を決定する

有限責任事業組合(LLP)は必ずどこかに事務所を置かなければなりません。

事務所の所在地は、「組合契約書」の絶対的記載事項となっています。
事務所の所在地は「主たる事務所」だけでなく、支部や支店のような「従たる事務所」も「組合契約書」の絶対的記載事項となっています。

「組合契約書」に記載する場合、事務所の所在地は「市区町村」まででもよいことになっています。
(東京23区では「区」まで、その他の地域は「市町村」まで。)

つまり、組合契約書の事務所の所在地の記載方法には1. 市区町村まで記載する方法2. 地番まで記載する方法の2通りあることになります。どちらでもよいのですが、それぞれメリット・デメリットがあるので状況により判断してください。

1. 市区町村まで記載する方法

その区域内であれば移転した場合であっても組合契約書の変更が不要になります。ただし設立登記申請時には「地番まで記載した議事録」を作成し添付しなければならなくなります。

2. 地番まで記載する方法

組合契約書に地番まで記載しておけば、設立登記申請の際に議事録の作成・添付が不要になります。ただし移転のたびに組合契約書の変更の手続きが必要になります。
 

一般的には組合契約書変更の手続きを避けるため、「市区町村まで記載する方法」によることが多いようです。ただしどちらの場合であっても事務所の所在地を変更すれば、「変更登記(登録免許税3万円必要)」をしなければなりません。
 

有限責任事業組合(LLP)の名称を決定する

有限責任事業組合(LLP)は名称を定めなければなりません。
有限責任事業組合(LLP)の名称は「組合契約書」の絶対的記載事項であり、登記もされますので、いくつかの決まりがあります。

必ず「有限責任事業組合」の文字を入れる

たとえば「有限責任事業組合○○」や、「△△有限責任事業組合」などのように会社名の前か後のいずれかに「有限責任事業組合」の文字を入れる必要があります。
(「LLP○○」や「△△LLP」のように「有限責任事業組合」にかえて「LLP」とすることは認められていません。)

使用できない文字、記号がある

使える文字は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字でも小文字でも可)
使える記号は「&」(アンパサンド)、「’」(アポストロフィー)、「,」(コンマ)「‐」(ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」(中点)で、それ以外は使えません。(使える記号の中にも組合の名称の先頭に使えないなどの制約があるものもあります)

同一の住所で同一の名称は使えない

同一住所(地番)に同じ名称の有限責任事業組合(LLP)がすでに存在する場合は、その名称を使用することはできません。必ず組合契約書を作成する前に、事務所の所在地の管轄法務局で「組合名称の調査」を行わなければなりません。

名称調査の詳しい内容はこちら → 名称調査・事業目的の確認

組合の事業(事業目的)を決定する

有限責任事業組合(LLP)が営む事業の内容のことを組合の事業(事業目的)といいます。

「組合の事業(事業目的)」は、「組合契約書」の絶対的記載事項となっています。有限責任事業組合(LLP)は「組合契約書」に記載した事業の範囲内でしか事業を行うことができません。

「組合の事業(事業目的)」は「組合契約書」に記載し、登記もすることになっているので、以下のような決まりがあります。一度決めてしまうと変更をするには、組合契約書の変更、変更登記(登録免許税3万円必要)などの手続きが必要となりますので、注意が必要です。

事業目的の営利性

有限責任事業組合(LLP)は、共同で営利を目的として事業を営むことを目的として設立されます。そのため、有限責任事業組合(LLP)の目的には「営利性」がなければなりません。

事業目的の明確性

事業目的は、登記簿に記載されます。登記簿は所定の手続をすれば、誰でも閲覧することができます。当然取引先や出資者がその有限責任事業組合(LLP)の情報を得るために登記簿を見ることもありますが、そのような場合に登記簿に記載されている事業目的がよくわからないようでは困ります。そのため、事業目的は誰が見ても明確にわかるようである必要があります。

事業目的の具体性

「明確性」と同様に、登記簿を見た人が具体的にイメージができるような目的でなければなりません。

事業目的の適法性

事業目的は、当然に適法でなければなりません。法律の規定や公序良俗に反するような目的は、認められません。
 

以上の4点を満たしていれば、「組合の事業」はいくつ記載してもかまいません。

会社法施行後、商業登記においても事業目的に関する規制が緩和されています。特に「目的の具体性」については、登記官による審査は行われないことになりました。しかし「営利性」「明確性」「適法性」については審査が行われますので、組合契約書を作成する前に必ず確認をとっておくことが必要です。

不要な変更手続きを避けるため、事業目的の最後の号に「前各号に付帯する一切の事業」と入れておくのが一般的となっています。

ただし、次の業務は有限責任事業組合(LLP)の業務として行うことが 禁止 されています。

  1. 公認会計士法第2条第1項に規定する業務
  2. 弁護士法第72条に規定する業務
  3. 司法書士法第3条第1項第1号から第5号に規定する業務
  4. 土地家屋調査士法第3条第1号から第3号に規定する業務
  5. 行政書士法第1条の2に規定する業務
  6. 海事代理士法第1条に規定する業務
  7. 税理士法第2条第1項に規定する業務
  8. 社会保険労務士法第2条第1項第1号から第2号に規定する業務
  9. 弁理士法第75条に規定する業務
     

出資金の額について決定する

出資金とは、事業を始めるための元手となる資金として、組合員となる者が有限責任事業組合(LLP)に払い込むお金のことです。有限責任事業組合(LLP)は組合員全員が有限責任であるため、実際に払い込まれた出資金の額は重要となります。

金銭のほかパソコンや車、土地など金銭評価できるものは、現物出資として出資することができますが、労務出資や信用出資は認められません。有限責任事業組合(LLP)の出資金の額には規制がありませんから、2円(組合員1人につき1円 × 2人)以上であればいくらでもかまいません。

出資金の額をいくらにするかは全く自由ですが、あまり少なすぎると有限責任事業組合(LLP)としての「信用力」に欠け、設立後の事業展開に影響が出ることも考えられます。安易に少ない額を設定せずきちんと資金計画を練って設定することが大切です。
 

事業年度を決定する

有限責任事業組合(LLP)は、1年以内の期限を区切って、経営成績と財務状態を計算しなければなりません。この計算を「決算」といい、決算のために区切った期間を事業年度といいます。

「事業年度」は自由に決めてよいことになっています。ただし、1年を超えることはできません。

一般的には「毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする」としている場合が多いですが、事業の内容を考慮し、繁忙期を避けて設定したほうがよいでしょう。
 

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