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会社法
このページでは、会社法のポイントの「特例有限会社」について解説しています。
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有限会社はどうなる?
会社法では、有限会社は廃止されました。
では、すでに設立されている有限会社はどうなるのでしょうか?
・・・選択肢は2つ用意されています。
- 有限会社のまま存続する → 特例有限会社として存続
- 株式会社になる → 特例有限会社 → 株式会社に商号変更
のいずれかを選択しなければなりません。(注)
(注)持分会社(合同会社・合資会社・合名会社)に組織変更することも可能です。
会社法の施行と同時に、現存する有限会社はすべて「特例有限会社」という株式会社となります。
会社法施行により「有限会社法」という有限会社の存在根拠自体がなくなってしまいました。つまり有限会社の存在そのものがなくなります。そのため会社法では、法律上は有限会社も株式会社になります。
特例有限会社
会社法が施行されると同時に、すべての有限会社は強制的に「特例有限会社」という株式会社の特例としての存在になります。
特例有限会社には、次のような特徴があります。
- 有限会社から特例有限会社への移行手続きは不要
登記の変更等は登記官の職権で行われるため、手続きは必要ありません。 - 商号には「有限会社」の文字を使用しなければならない
「株式会社」は名乗れませんが、「特例有限会社」とする必要はありません。 - 決算公告義務がない
株式会社には一律に決算公告義務が課されますが、特例有限会社は免除されます。 - 大会社に該当する場合であっても、会計監査人の設置が強制されない
株式会社で大会社(資本金5億以上または負債総額200億円以上の会社)に該当すれば会計監査人が必置機関となりますが、特例有限会社は免除されます。 - 取締役、監査役の任期を定めなくてよい
会社法では、取締役・監査役の任期を定款の定めによって最長で「選任後10年以内」とすることができるようになりましたが、特例有限会社の場合は任期自体を定める必要がありません。 - 社員数の制限がない
旧法の有限会社は、社員(出資者)の人数は50名までと限定されていましたが、特例有限会社にはこの上限がありません。 - 社債の発行が可能
旧法の有限会社は社債を発行することはできませんでしたが、特例有限会社は社債を発行することができます。 - 特例有限会社のままで存続が可能
特例有限会社は特例措置としての存在ですが、期限が決められていないため特例有限会社のままで存続することができます。
このように特例有限会社は、旧法の有限会社のメリットをほとんど引き継いでいることになります。
また手続きも不要であることから、法律上は会社法が施行されても直ちに対応が必要となるわけではありません。(あくまでも法律上の話ですが…)
株式会社へ商号変更
特例有限会社は商号を変更して株式会社へ移行することができます。
特例有限会社が通常の株式会社となるためには「商号変更」という手続きが必要になります。
(旧商法では、有限会社が株式会社に移行することを「組織変更」といいました。)
具体的には次の手続きを行います。
- 商号を「有限会社○○」から「株式会社○○」と変更する定款変更の株主総会(社員総会ではありません)の決議
- 商号変更前の「特例有限会社」についての解散の登記および商号変更後の「株式会社」についての設立の登記
会社法では、株式会社と持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)の間の変更を組織変更と呼ぶため、特例有限会社が株式会社に変更することは「商号変更」と呼びます。
ただし、登録免許税法第17条の3では「特例有限会社の通常の株式会社への移行の登記は、組織変更による株式会社の設立の登記とみなす」と規定されています。 つまり登録免許税は組織変更と同様に「解散の登記」に3万円、「設立の登記」に最低3万円(資本金額によって異なります)が必要になります。
このように株式会社への商号変更の手続きとしては、現行商法の「組織変更」より極端に簡単になるわけではありませんが、最低資本金規制の廃止により資本金を1,000万円まで増資することなく通常の「株式会社」となることができるようになります。
ただし、一度「株式会社」に商号変更してしまうともう再び「特例有限会社」に戻ることはできません。
確認有限会社はどうなる?
現存の有限会社の中には、通常の有限会社の他に「確認有限会社」があります。
確認有限会社は会社法施行後はどうなるのでしょうか?
−特例有限会社として存続することができます。
「確認株式会社」「確認有限会社」は設立後5年間は最低資本金規制の適用を免除される制度ですが、5年以内に株式会社は1,000万円以上、有限会社は300万円以上に増資をしなければなりません。 もし増資ができなければ、解散あるいは組織変更をするしかありませんでした。
しかし会社法施行により、最低資本金規制自体がが廃止されます。それに伴い「確認株式会社」「確認有限会社」の増資義務は当然になくなり、「確認株式会社」は通常の株式会社として、「確認有限会社」は特例有限会社としてそのまま存続することができます。
ただし、確認会社の義務として登記されている「解散の事由」を削除する変更登記をする必要があります。
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