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パートタイマー雇用マニュアル
労働条件等
パートタイマーといえども労働者ですから、当然に労働基準法の適用を受けます。労働条件等は、労働基準法の基準を満たしたものでなければなりません。
年次有給休暇
パートタイマーにも年次有給休暇を付与する義務があります。ただし、1.週所定労働時間が30未満であり、かつ、2.週所定労働日数が4日以下もしくは 1年間の勤務日数が216日以下、である労働者の場合は、通常の労働者よりも少ない日数を付与することになります。(これを比例付与といいます。)
付与しなければならない日数については、次の表を参照して下さい。
継続勤務年数(年) | 6ヶ月 | 1年 6ヶ月 | 2年 6ヶ月 | 3年 6ヶ月 | 4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 | 6年 6ヶ月 以上 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
週所定労働日数又は 1年間の所定労働日数 | ||||||||
5日以上 | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 18 | 20 | |
週所定労働 時間が30 時間未満 の労働者 | 週4日又は年 169日から216日 |
7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
週3日又は年 121日から168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 | |
週2日又は年 73日から120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 | |
週1日又は年 48日から72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
時間外労働・休日出勤
パートタイマーにも時間外労働・休日出勤をさせることは可能です。そのためには、
- 就業規則等に「契約した労働時間・労働日数を超えて労働させることがある」旨の定めを記載する。
- 個別の雇用契約書にも「契約した労働時間・労働日数を超えて労働させることがある」旨の定めを記載する。
- 延長する時間が法定労働時間を超えることとなる場合や、法定休日に労働させる場合は、労働者過半数を代表する者と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、 かつ、労働基準監督署長に届け出る。
という手続きが必要となります。ただし、パートタイマーの本来の目的を考えると、頻繁に時間外労働や休日出勤をさせるのは避けるべきでしょう。
時間外労働・休日労働に対する割増賃金
パートタイマーにも割増賃金(時間外労働=25%増、休日労働=35%増)を支払わなければなりません。ただし、割増賃金の支払義務が発生するのは、 法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて労働させた場合や、法定休日に労働させた場合であるので、たとえば1日4時間で週4日の労働契約のパートタイマーに 1日2時間残業させたような場合や、1週だけ1日多く労働させたような場合は、どちらも法定労働時間を超えていないし、法定休日に労働させたわけではないので 割増賃金の支払義務は発生せず、通常の賃金を支払えばよいことになります。
休憩
休憩時間は労働時間時対して付与します。
- 労働時間が6時間以内 = 与えなくてよい
- 労働時間が6時間を超え、8時間以内 = 45分以上
- 労働時間が8時間を超える = 60分以上
となっています。注意すべき点は、時間外労働をさせる場合です。たとえば、1日の労働時間が6時間の労働者に1時間の時間外労働をさせる場合、 45分以上の休憩を付与しなければならなくなります。また、1日の労働時間が6時間であれば休憩は付与しなくてもよいのですが、午前10時から午後4時までの勤務 であるような場合は、たとえば20分程度でも昼食の休憩を与えるなど、常識的な対応が必要となるでしょう。なお、休憩時間には賃金の支払義務は発生しません。
雇用契約
パートタイマーであっても、雇い入れ時に次に示す労働条件を書面の交付により明示しなければなりません。
- 契約期間(「定めなし」も可ですが、パートタイマーの場合は定めておいて更新していく方が雇い主には有利でしょう。)
- 就業場所
- 従事すべき業務の内容
- 労働時間(始業・終業時間、時間外労働の有無、休憩時間、休日など)
- 賃金(賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締め切り及び支払の時期など)
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
賃金
労働基準法では、最低賃金が決められています。平成18年9月30日より兵庫県は時間給683円、大阪府は時間給712円となっています。また、賃金の支払には、1.通貨払い、2.直接払い、 3.全額払い、4.毎月払い、5.一定期日払い、の原則があります。なお、口座振込については、本人の同意がある場合に本人名義の口座に限って、可能となります。
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